緊急情報

現在情報はありません。

更新日:2023年1月1日

ページID:40645

ここから本文です。

謹賀新年 周りの人や将来世代への「思いやり」があふれたまちに

CCBY 但し、画像データは除きます

 

 

皆さま、明けましておめでとうございます。爽やかな気持ちで新春を迎えられたことと思います。
本区は昨年8月に『共生社会ビジョン』と『SDGsビジョン』の二つの計画を作りました。これらが目指すのは、一人ひとりの個性を大切にしながら、全ての方がずっと住み続けたいと思える「誰もが安心して自分らしく暮らせるまち」です。
今年も皆さまと力を合わせ、誰もが輝き、自分らしく過ごせる1年になるよう一生懸命頑張ってまいります。

江戸川区長 斉藤猛

江戸川区長 斉藤 猛

オール江戸川で進めてきたコロナ対応

―令和4年を振り返ると

依然として新型コロナウイルスへの対応は続いていますが、少しずつ社会や経済が動き出してきていると感じています。
昨年1月の第6波、そして第7波と、その時々の感染状況に応じて国や東京都、そして区医師会の皆さまとも協力して、最大で200床以上の病床の確保や保健所サテライトの開設、検査体制の充実など、ここまでオール江戸川で取り組みを進めてきました。多い時には区職員も各部署から300名近く集めて対応しましたが、それでも業務が追い付かない時期もありました。こうした状況の中で、区内の愛国学園や江戸川看護専門学校の生徒さん、東京医科歯科大学の教員の皆さまがボランティアで保健所の業務を支援してくださいました。心から感謝申し上げます。
こうしたコロナ禍において大きく注目されたのがDX(デジタル・トランスフォーメーション)で、区でも積極的に導入を進めました。昨年は来庁不要の区役所の実現を目指して電子申請やオンライン相談の対象範囲を拡大し、さまざまな分野でAI(人工知能)による支援システムを導入しました。


閉校した学校の校舎を活用した保健所サテライトで業務に奮闘する区職員

住みよい環境を未来へつなぐ二つの新たな計画

―区では新たに、今後を見据えた長期的な計画の策定がありました

区民の皆さまが持つ江戸川区のイメージは「近隣住民の仲が良い」「自然や公園が多い」「交通の便が良い」「子どもが多くて活気がある」などさまざまですが、区では「この住みよい環境を未来へつないでいきたい」という思いを込め、昨年8月に2100年を見据えた『共生社会ビジョン』と2030年を見据えた『SDGsビジョン』を作りました。そこには周りの人や未来の人に対する思いやりの心を持ち、年齢や性別・国籍・障害の有無などにかかわらず人と人とが互いに支え合う、そんな理想のまちの姿が描かれています。
また、SDGsビジョンでは、区が目指す共生社会「ともに生きるまち」の理念と同じであるSDGsの17のゴールに沿った取り組みを整理しています。

―区制90周年の節目を迎えて

昨年10月に江戸川区の誕生から90年を迎えました。その間、数々の苦難や困難を乗り越えてきた多くの先人の皆さまの努力によって現在の良好な都市基盤が整備されるとともに、住民同士の豊かな地域コミュニティが育まれ、住みよいまちになったと感じます。
二つのビジョンは、そういった区の基盤をつくった区民や事業者の皆さまはもちろん、区議会議員の皆さまなど、江戸川区に関わる多くの皆さまの声を紡ぎ合わせたものとなっています。

 

五つの「ともに」から未来を描く共生社会ビジョン

―共生社会ビジョンを分かりやすく説明すると

区では、共生社会ビジョンの策定に当たって、まずは「成り行きの未来」とはどのようなものかを考えました。
現在の江戸川区は、水とみどり豊かな住みよいまちになりましたが、今後も同じようにこの環境が続いていくとは限りません。令和2年に行った区の将来の人口推計では、今日生まれた子どもがおよそ80歳になる2100年には、現在の70万人から45万人にまで人口が減少する可能性があることが分かりました。そうした時に、このまま手を打たずに誰も協力しないでいるとどうなってしまうのか。共生社会ビジョンには「協力し合うことなく2100年を迎える江戸川区」と「ともに力を合わせて2100年を迎える江戸川区」の二つの世界に生まれた赤ちゃんの、それぞれの物語が描かれ、「これからも安心して江戸川区で暮らし続けるためには今から行動することが必要」というメッセージが込められています。


未来に向けた2つのビジョンは区ホームページから閲覧できます

多様性を認め互いを理解し合う

共生社会ビジョンは、令和3年7月に制定した「ともに生きるまちを目指す条例」に記された「人・社会・経済・環境・未来とともに」の五つの「ともに」を軸に、2100年の目指すまちの姿を描きました。
まずは、「人」とともに。
誰もが暮らしやすく、自分らしく輝けるまちにするために、区ではまちのバリアフリー化を進めてきました。区民施設の整備や車道と歩道の段差解消など、誰もが安全に移動できるまちづくりが進んでいます。
また、パラスポーツを通じたまちづくりも進めています。その一つが、東京2020パラリンピックで行われた22競技全てを区内でできる環境の整備です。パラスポーツができる環境というのは、お子さんから高齢者まで障害の有無にかかわらず全ての方に優しい環境であると思っています。パラスポーツを通じて多様性を認め合い、お互いを理解し支え合う、そんな当たり前のことができるまちにしていきたいと思っています。


ボッチャをはじめ、東京2020パラリンピックで行われた22競技全てを区内でできます

人が集い・支え合う場を未来へつなぐ

二つ目は、「社会」とともに。
このまちを動かすエネルギーは「人と人が支え合うこと」です。区ではリズム運動やボッチャなどを通じて、区民の皆さまが交流したり、一緒に健康づくりをしたりする場が数多くあります。また、子どもの見守り活動や、地域の清掃活動、防災訓練、地域まつりなど、皆さまが支え合う活動が区内各地で活発に行われています。
皆さまと力を合わせ、このような場を未来に残していきたいと思います。

誇れる技術を世界に発信

三つ目は、「経済」とともに。
暮らしを支える農業・商店街や伝統工芸などの区内産業に従事する事業者の皆さまは、大切な区民のお一人であり、まちの元気の源です。
事業者の皆さまが長年培った素晴らしい技術や経験を全国・世界へ発信することは、まちをより一層盛り上げる活力につながると考えています。区は、事業者の皆さまの社会・経済活動の歩みを止めることのないよう、さまざまな角度から区内産業を支援していきます。

豊かな自然を未来へつなぐため今できることを

四つ目は「環境」とともに。
区では、昭和45年から「ゆたかな心 地にみどり」を合言葉に緑化運動が始まりましたが、その時に立てた目標が二つあります。一つは、区民1人当たり樹木数10本。この目標は昨年達成しました。もう一つは、区民1人当たりの公園面積10平方メートル。葛西海浜公園も含めれば、こちらもすでに達成済みです。先人の皆さまの努力により、現在のみどり豊かな環境があります。
そして江戸川区は、陸域のおよそ7割がゼロメートル地帯です。水害ハザードマップでは、千年に1度の規模の水害リスクについてもしっかりとお伝えしています。こうしたことも想定していかなければなりませんが、逆に言えば水の恵みが豊かな地域でもあると思っています。葛西海浜公園には、東京駅から15分で海水浴ができる環境があります。大都市のセントラルステーションから15分で海水浴ができる環境はロンドン・パリ・ニューヨークにもありません。平成30年にはラムサール条約湿地にも登録されています。区の中央部を流れる古川親水公園は、昭和49年に全線完成した全国初の親水公園です。今では親水公園や親水緑道の総延長は27キロにも及び、水とみどりのネットワークを形成しています。
こうした豊かな自然環境を守り続けていくためには、区と区民の皆さまが一体となって気候変動などへの取り組みを続けていくことが重要なのだと思います。


昨年もにぎわった、海水浴が体験できる葛西海浜公園


古川親水公園のじゃぶじゃぶ池には子どもたちの元気な声が

未来のまちの姿を世代を超えて考える

そして最後が、「未来」とともに。
2100年の世界を生きるのは、今の子どもたちです。
子どもたち自らが、未来のまちの姿について考える取り組みも進めています。区では昨年11月、松本小学校と小松川第一中学校で共生社会ビジョンを題材にした授業を行いました。
「2100年のために今できること」をテーマに、さまざまな議論が交わされました。その中で出たアイデアを紹介します。
「未来のことは自分たちで考える」
「簡単にできるごみ拾いから始める」
「良い未来にするために近所の人たちとコミュニケーションを取り合う」
小学生や中学生が、まちの未来について真剣に考えてくれる姿を見ていると本当に頼もしく感じます。何より、自分たちが住むこのまちをより良いものにしたいという、素直で真摯な思いを感じました。子どもたちの思いを無駄にすることのないよう、今を生きる私たち大人も、未来のために今できることは何かを真剣に考えて積み重ねていかなければならないと、改めて感じました。


未来のまちの姿について真剣に考え、意見を出し合う松本小学校の児童たち

素直に喜怒哀楽が出せるまちに

―区内では、さまざまな視点から「ともに生きるまち」の実現に向けた取り組みが行われています

共生社会ビジョンには五つの「ともに生きる」の姿が描かれていますが、私は五つが全てではないと考えています。皆さま一人ひとりの中に、ご自身なりの「ともに生きる」があるのではないでしょうか。私が思う六つ目は「自分とともに生きる」です。人には元気な時もあれば、病気やけがの時もあります。幸せな気分の時もあれば、落ち込む時もあります。しかしどんな時でも、ありのままの自分の姿を受け入れて、自分らしく生きていくことができる「素直に喜怒哀楽が出せるまち」は、みんなが暮らしやすいすてきなまちになるのではないかと思っています。
このまちに暮らす皆さまがさまざまな場面で力を合わせて、わがまちをより良いものにしていこうと既に行動されています。そうした力は、区が目指す「ともに生きるまち」の実現に欠かせないエネルギーだと思います。
明るい未来を築いていくために、江戸川区にいる全ての皆さまとともに考え・行動し、住み続けられる持続可能なまちを築く、それこそが将来世代への「思いやり」だと思っています。

―区内では未来に向けたまちづくりも

いわゆるハード面においても、区民の皆さまと行政が一体となって、区内各地でさまざまな形のまちづくりが進められています。
11月には角野栄子児童文学館(愛称:魔法の文学館)も完成する予定です。文学館の隣には、V6の皆さまから寄贈していただいた「ブイロクの木」もあります。
今後もあらゆる側面から区の魅力を発信し続け、区のファンを増やし、「住み続けたい」「住んでみたい」と思う方を1人でも増やしていきたいと思います。


なぎさ公園内に11月開館予定の角野栄子児童文学館(愛称:魔法の文学館)

将来世代に負担を先送りしない

ここまでお話しした取り組みを進めていく上で、お伝えしなければならないのが、江戸川区の財政状況です。
区の貯金と借金の状況を見ると、貯金は戦後最高額の2176億円。借金は平成11年には847億円ありましたが今は2億円で、借金に頼らない財政運営を行っています。それを数値で表すと全国で2位の評価を受けています。
一方、2100年までには、現在の全ての区の公共施設の建て替えが必要になります。そこには相応の金額が必要となります。そうした中で将来世代に負担を先送りせずに、今日生まれたお子さんが安心して2100年を迎えることができるようにしていきたいと考えています。

先人から受け継いだ財産を未来へつなぐ

―改めて令和5年への思いは

感染症への対策を続けていくことはもちろんですが、再び社会が動き出そうとしていますので「これまでの日常をいかにして取り戻せるか」または「現在のライフスタイルに合った形に変えていけるか」が重要です。工夫を加えながら人と人とのつながりを実感できる機会を積極的につくっていきたいと思います。
江戸川区は、下町の人情あふれるまちです。この豊かなコミュニティを育んでいるのが、区の大きな魅力の一つでもある区内各地で開催される「まつり」です。こうしたまつりやイベントに参加して住民同士が顔見知りになることは、防災面や防犯面も含めてとても大切なことだと思っています。
このコロナ禍の中で改めて感じた「人と人とのつながりの大切さ」、先人から受け継いだこのかけがえのない財産を未来へつないでいけるよう、区民の皆さまと一緒になって頑張っていきたいと思います。そして、区を取り巻くさまざまな状況としっかりと向き合いながら、区民の皆さまに愛されるまちづくりを進めていきたいと思っています。

区長インタビューを動画で放映中 えどがわ区民ニュース別ウィンドウで開きます

このページに関するお問い合わせ

このページはSDGs推進部広報課が担当しています。

トップページ > シティインフォメーション > 広報・広聴 > 広報えどがわ > 2023年 > 2023年1月 > 1月1日新春号 > 謹賀新年 周りの人や将来世代への「思いやり」があふれたまちに

  • LINE
  • Instagram
  • X
  • Facebook
  • YouTube
  • えどがわ区民ニュース