区民向け情報

閉じる

更新日:2020年10月15日

ここから本文です。

特集 共生はお互いさま!

CCBY 但し、画像データは除きます

 

画像:北野大(きたのまさる)

特集 江戸川総合人生大学 学長 北野 大(きたの まさる)さん

江戸川区が目指す共生社会のビジョンは、「年齢や障害の有無にかかわらず、誰もが安心して自分らしく暮らせるまち」です。この実現に向けて、区内に古くから根付く“下町の精神”が鍵となると訴えるのが、「江戸川総合人生大学」の学長を務めていただいている北野大さんです。新しいカタチの学びの場ともいえる江戸川総合人生大学を通じて北野さんが目指す“お互いさま”の地域貢献とは…。これからの共生社会の在り方とは…。北野さんにお話を伺いました。

「下町の精神」伝えるべく

北野大さんといえば、弟の武(ビートたけし)さんが発信する情報も手伝い、「北野ファミリーなら江戸川区よりも足立区ゆかりの方では?」と思う方も多いかもしれません。しかし今や北野さんは「住所こそないけど、江戸川区命(いのち)といっても過言ではありません」と言ってくださるほどの”江戸川区推し”。その契機となったのは、平成13年、読売新聞がコラムで企画した”下町大学”という生涯学習の場の構想に賛同し、コンセプト立案に協力したことでした。
「当時、私は下町に根付いている”おせっかい”であるとか”お裾分け”というような言葉に象徴される互助の精神をぜひとも21世紀に残したいという思いを持っていました。とりわけ次代に伝えたかったのは、隣近所での味噌(みそ)・醤油(しょうゆ)の貸し借りに見られるような”お互いさま”の文化。下町大学構想の実現の暁には、下町環境論なんて講座を担当させてもらい、この尊い精神を伝えていくんだと、ずいぶん意気込んで取材に応じたのを覚えています」
結局、この構想はあくまで一つの構想としていったんは幕を閉じます。ところが、わずか2年後にこの江戸川区で実現に向けて動き出すことになるのです。
当時の江戸川区にはすでに、熟年者向けの生涯学習の場として「くすのきカルチャーセンター」があり、現在も多くの区民の方に親しまれています。しかしこれとはまた別の、社会とのつながりに焦点を当てた、幅広い世代のための新たな学びの場を設けようという構想が練られていたのです。それこそが今年で設立16年を数える江戸川総合人生大学(以下、人生大学)。北野さんはその立ち上げに当たり学長に就任し、以来、延べ991人もの卒業生を送り出してくださっています。

卒業がスタートになる

人生大学は、2年課程の4学科からなる、幅広い世代の区民に開かれた学びの場です。”大学”と付いてはいますが、いわゆる学士号が取れる文部科学省認可の大学ではありません。
しかし学長たる北野さんは「自ら地域の課題を探し出し、その解決法を考え、実践につなげていくというカリキュラムの特色から、これほど地域に貢献できる人材が育つ学びの場はそうあるものではありません。本当に役に立つ”実学”を学べるのが人生大学であり、どんな大学にも負けない環境が備わっています」と、その際立った特色を強調します。
例えば、”卒業がスタートになる学びがあります”というキャッチコピーは、そうした人生大学の特徴を端的に象徴するものといえるでしょう。人生大学では、一通りのカリキュラムを終え、卒業証書が出たら”はい、おしまい”ということにはなりません。
「むしろ本当に大事なのは卒業してから」と北野さんは力を込めます。「卒業生の中には子育て支援や介護施設訪問のボランティア団体を立ち上げるなど、精力的な地域貢献の活動に邁進(まいしん)している人がたくさん出てきています。これこそがまさに私が下町大学の構想の時から伝えたかった互助の精神であり、江戸川区がいま精力的に取り組みを進めている共生社会のモデルケースともいえるものなのではないでしょうか」

画像:北野大

与えるばかりでは続かないから

北野さんが人生大学の学生に伝えたい互助の精神、さらには江戸川区が目指す共生社会。令和の時代にこれらを発展させていくためのキーワードを北野さんに尋ねると、「それはやっぱり”お互いさま”の考え方でしょう」との答えが返ってきました。
「『地域社会に貢献するぞ!』と意気込み過ぎると、どうしても一方通行というのか、自分の持っている資源を出していくばかりの”ギブ・アンド・ギブ”の形を思い描きがちです。でもそれではなかなか続くものじゃない。地域に貢献しようとする人もまた、地域から有形無形の恩恵を受ける”ギブ・アンド・テイク”の形こそが自然な形だし、末永く続けていくための秘訣(ひけつ)じゃないでしょうか」
北野さんによれば、人生大学に入学される方々に動機を尋ねると、なにも地域への貢献に熱意を燃やす人ばかりではなく、自身の生きがい探しであるとか、あるいは友達づくりの契機に―といった気持ちで門をたたく方々もたくさんいるといいます。
「生きがい探し、友達づくり、大いに結構。どんな動機も人生大学は大歓迎です。仮に自分の生きがいのためにということで始めたことでも、それが誰かの役に立てば必ず感謝が返ってくる。そうしたら心が豊かになって、もっと貢献できるようなことがしたくなる。そういう双方向の作用があってこそ、ぐるぐると社会が回っていくんです。やっぱり”お互いさま”なんですよ」


北野さんが大学生の頃に母さきさんと写した1枚。
「私も武も生涯、頭が上がりませんでしたね」と振り返ります

近所中の子の面倒を見た母

こうしたダイナミックな”お互いさま”の価値観は、下町に暮らす人々の影響なくしては築き得なかったと幼少期を振り返る北野さん。中でも母・さきさんの生き方から受けた影響は別格だといいます。
「なにしろおせっかいな人でしたよ(笑)。子どもが大好きで、夏休みとなれば近所中の子どもらを家に集めて宿題をやらせていました。学校の遠足にはいつも一緒に付いて来るのですけれども、別に僕ら兄弟の世話を焼くわけでもなく、どの子にも分け隔てなく接している。途中で粗相をしてしまった子の下着をせっせと洗ってやっていた姿はよく覚えています。そうやって人と関わること自体が生きがいというような母でした」
時代と共に人と人との距離が開きつつある中で、さきさんのような生き方を実践すること、あるいは単にそのような人を見つけることさえも、今や難しいことかもしれません。それでも、下町・江戸川区でこその共生社会の形はあり得るのだと北野さんは断言します。
「下町は家々の垣根も少ないけれど、やはり元来の心の垣根がないという良さがある。私が母から学んだような下町の精神は、これからも江戸川区にとって貴重な財産になり続けると確信していますし、私がライフワークとして広めていきたいことでもあるのです」
さて、このたびリニューアルした「広報えどがわ」。毎号の特集面では、区の事業を分かりやすく紹介するほか、区民の方や区にゆかりのある方に登場していただき、等身大の区の魅力を発信していきます。
この新たな編集方針に対し、北野さんから、「そういう方針でしたら、人生大学の卒業生には特集に登場していただきたい人が山ほどいます。目下はコロナ禍のために充電している活動も多いですが、これからどれだけ懐かしい顔を誌面で見られるか楽しみにしていますよ!」とエールをいただきました。

きたの・まさる
昭和17年足立区生まれ。大学卒業後、いったんは製薬会社に勤務するも、学究の道を志して大学院に進み、分析化学の専門家に。淑徳短期大学、淑徳大学、明治大学で教授を歴任し、平成29年、秋草学園短期大学の学長に就任。平成16年設立の江戸川総合人生大学の学長も務め、一部講座では教壇にも立っている。

江戸川総合人生大学の4学科の特色

江戸川まちづくり学科

暮らしやすい「まちづくり」を多様な分野・視点から考える。ワークショップとフィールドワークの手法を併用し、「まちづくり」への関わり方を体験的に学習。これから「地域デビュー」を目指す方にもお勧め。

国際コミュニティ学科

国際コミュニティ学科日本人とその文化の成り立ちを考えながら、地域での国際交流や外国人との共生の在り方について考える。講義とフィールドワークの手法を通じて、在住外国人の言語や生活環境の現状と課題などを学ぶ。

子育てささえあい学科

子どもたちを取り巻く環境を理解し、私たち大人がどのように子どもたちに向き合っていったらよいか、そのためには家庭や地域でどのような取り組みが必要か。地域で子どもたちと関わっていきたい方と一緒に学ぶ。

介護・健康学科

高齢社会の中、自分たちが暮らす地域社会は今どんな課題を抱えているか、そしてそれを解決するにはどうしたらいいか。「住民参加」をキーワードに、住み慣れた地域で安心して暮らせる仕組みを学ぶ。

 

次回の新入生の募集は3年7月ごろを予定しています。
江戸川総合人生大学(外部サイトへリンク)(別ウィンドウで開きます)に興味・関心をお持ちになった方は、お気軽にお問い合わせください。

場所

篠崎文化プラザ3階

問い合わせ

江戸川総合人生大学 電話:03-3676-9075

お問い合わせ

このページは経営企画部広報課が担当しています。

より良いウェブサイトにするためにみなさまのご意見をお聞かせください

このページの情報は役に立ちましたか?

このページの情報は見つけやすかったですか?