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江戸扇子 松井宏 インタビュー

更新日:2015年12月25日

お仕事を始められたきっかけを教えてください

父親が家業として行っていて、11歳の頃から手伝いをしていました。
朝から晩まで働く父の姿を見て、自分としては継ぐつもりはなく、実際、学校を卒業してサラリーマン生活を送ったこともあります。
しかし、ものづくりが好きなことと、会社に馴染めなかったことが原因で、2年で退社しました。
その後は本格的な修行に入ったわけですが、他に適している仕事がないのだろうかと10年間は悩みました。
その間、色々就職活動を行いましたが、結局、他に結論が出なかったのです。
それで、扇子作りをやるしかないと、これが天職であると決心しました。
また、親方が1人減り二人減り、職人がどんどん減っていく中で、江戸扇子をなくすのが惜しい、といった気持ちもこの道に入る要因であったと思います。

江戸扇子を作る職人は何名くらいいらっしゃるのですか

最盛期の30年位前までは都内に20名以上の職人がいましたが、現在では、私を含めて都内では4人、埼玉に1人になっています。

修行時代にご苦労されたお話を教えてください。

修行はサラリーマンを辞めた後、本格的にはじめました。
それまでの学生時代は、ほんの一部、補助的に携わっていただけでした。
師匠でもある父の指導はそれほど厳しくはなく、作業の流れについて一通り教えてくれました。
しかし、実際自分がそれをやって見ると、どこか父が作るものとは違う、完璧にはできない。悔しくて、父が先に寝た後に、夜遅くその日に教わったことを復習しました。
何で同じにできないのだろうと、長い期間、試行錯誤が続きました。
また、修行中は、サラリーマン時代と比べて人との関わりがなくなりました。会社の同僚や友人たちと、仕事後、どこかに行くといったことが全くなくなり、精神的な苦労・孤独感がありました。極端な話監獄に入ったような感じでした。

お仕事の内容について教えてください

分業化が完全に進んでいる京扇子作りと違い、江戸扇子作りは、下地から完成までを1人で行います。
私も絵付と扇骨作り以外の全ての工程を行っています。
全部で30近い工程が必要となるのですが、そのほとんどが長年の経験によって初めて得られる微妙な力加減や判断に支えられた手仕事です。
一人前になるのには10年位はかかりますが、そこからがスタートです。
十年でやっと形が完成して、そこから自分の個性・感性・こだわりが加わっていく。これでいいということはありません。私も未だに修行中です。

扇子作りの中で、一番難しい・手間がかかるところは?

一まず、下地を作るために和紙に糊を引きます。
紙によって含まれる水分量が違うため、糊の濃度調節の加減が難しいです。
また、糊をムラができないように均等に引かないと、その部分が浮いてしまったり、破けてしまったり、不具合が生じます。
続いて和紙を蛇腹に折っていくのですが、キチッと折らないと、正確な長方形にならずに出っ張り引っ込みができてしまいます。
中差しは、真中にあけないとでこぼこしてしまう。
仕上げも、バランス良く形のいいものにするには、ポイントがあります。
つまりは全てが難しい。
一部分だけだったら、三ヶ月みっちりやればある程度ものにはなると思いますが、全ての工程を覚えるのには、やはり10年位かかります。
また、竹・紙といった自然の素材を使っているので、全工程を通して、天候、湿度、冬と夏との乾燥時間の差を考慮する工夫が加わってきます。
季節の勘所を如何に掴むかが一番難しいところです。

江戸扇子職人になって良かったと思うことは?

子供の頃から、ものづくりが好きでした。
この道に入ったきっかけでもありますが、それができたということが一番良かったと思います。
また、難しい注文をもらうときがたまにあります。
お客様との打合せを踏まえて進めて、希望を十分聞いて作成します。
お客様と作り手の双方が納得できて、お客様も喜んでもらえると、ああ職人になって良かったと思います。
恐らくは、江戸扇子の職人になっていなくても、何か別の職人になっていたと思います。

気分転換にはどのようなことをされていますか

散歩が好きです。
仕事に行き詰まると近所の江戸川河川敷などにふらっと出かけます。
ゆったりとした川の流れ等を見ていると、新しい扇面のアイディアが良く浮かびます。
また、庭の草花の手入れも良く行います。土に触れていると気分が大変落ち着きます。

今後の目標はどのようなものですか?

これというのはありませんが、扇子の持つ可能性を常に探求していきたいと思っています。
丁度、その時に江戸川区から産学公連携の話があり、現在、東京造形大学のデザイン学科の学生と新しい扇子の可能性について共同研究を行っています。
どのようなものが完成するのか非常に楽しみです。
今まで通りのことを、今まで通りやっていけば安定となるのでしょうが、それではいけないと思います。時代ニーズに合わせて、色々な方に喜んで使ってもらえる扇子を作っていかなければと感じています。

皆様へのメッセージ

現代では、コンピュータで制御された工場で、同じ製品が何万と作られています。
そうした大量生産された製品ではなく、手作りの良さ、和の素晴らしさを感じてもらいたいと思います。
扇子の小さなスペースの中にも、様々な世界が広がります。
殺伐とした世の中で心が和めるような情緒、和の文化を再認識していただきたいです。
また、扇子は完全な省エネ商品です。
電力不足が叫ばれる中で、環境のためにもどんどん使っていただきたいですね(笑)。

松井宏さんの作品紹介

松井宏さんの作品紹介

松井宏さんは美術大学(女子美術大学)と連携し、新しい伝統工芸製品を創るプロジェクトに参加しています。

問い合わせ先

このページは生活振興部 産業振興課が担当しています。

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