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看板彫刻 細野勝 インタビュー

更新日:2010年9月13日

お仕事の内容について教えてください

主に看板彫刻の仕事をしています。
製作の割合は、千社額が9割位で、残りの1割が普通の看板・表札、コースターやアクセサリー等の小物になります。
看板の素材となる木材は、木曽桧・欅・栓の他、アメリカ産のヒバの木を使っています。値段は安いですが、柔らかくて刃物の切れが良いのが特徴です。
看板の生地の加工は外注していますが、それ以外の工程、文字を書くことから、彫刻、彩色、仕上げまでは、全て自分で行っています。
受注されて、納期まで1ヶ月位かかりますが、長いものでは2ヵ月位かかるものもあります。
もともと看板彫刻の仕事は、文字を書く、彫る、色を塗る、箔を押す等、全ての工程が分業化され、それぞれの職人がいました。
私がこの仕事を始めた頃は、そうした職人も残っていたのですが、今ではいなくなってしまいました。
私は彫りが専門だったのですが、それ以外の工程も、自分でやらざるを得なくなってしまったのです。
現在は、主に築地のおたな(※職人用語で小売り店のこと)から看板の注文を受けて製作しています。
最盛期の昭和50年代位には、年間100〜120本位の看板を製作していました。
ところが、現在では年間で10本位になってしまいました。
飲食店などの建築様式が変り、古くからのデザインの千社額が、店の内装に合わなくなってきたのが大きな原因の一つでしょう。
しかし最近では、古くからの和のデザインが見直されつつあるので、注文も増えてくるのではないかと期待しています。

看板彫刻をされる職人さんはどの程度いらっしゃるのですか?

都内で職人といえる人が10人位でしょうか。
その内、店を持っているのは半分位です。
皆、後継者がいなくて止めていってしまいました。

お仕事をはじめられたきっかけについて教えてください

私の父は、横浜の寿司職人でした。
その関係で、幼い頃から、よく築地に出入りしていたのですが、そこに看板を作っている店が一軒ありました。
私は食べ物をいじるのはあまり好きではありませんでしたし、ものづくりが好きだったので、そこに弟子入りをしたのです。
昭和25年に中学を卒業して、築地の店に正式に弟子入りしましたので、かれこれ50年近くこの仕事をしています。
江戸川に来たのは昭和41年です。
独立と同時に、こちらに居を構えました。

一人前になるのにどの程度かかりますか?

看板として、一応見られるものを作ることができるまで3年位でしょうか。
3年経つと、自分の思うように道具の手入れが出来るようになります。
先が折れた小刀を研ぐ、それが勉強です。
研ぐことによって道具の性質が分かってきます。
また最初は、仕事中によく手を切ります。
刃先が磨耗して切れ味が悪くなると、生地の上で刃先が滑りますが、その時に手を切ってしまうのです。
小刀の手入れを繰り返し、使い方の限界を体が覚えてくると手を切らなくなります。
そして、7〜8年目位で、作品を人前に恥ずかしくなく出せるようになります。
看板に彫る字は様々な書体がありますが、このころになると、書体毎に、良く見える彫り方が分かってきます。字を「活かせる」ようになってくるのです。
10年目位で、一応何でも出来るようになりますが、更に上達するためには、やはり一生勉強が必要です。

細野さんの得意技術について教えてください

「やげん彫り」と呼ばれる技法が一番得意です。
彫刻の原点の技法でもあり、弟子入りするとまず一番にやらされます。
本当に、基礎の基礎の技法ですが、一番奥が深いものでもあります。

職人になって良かったと思うことは?

やはり、製品がお客様に良く出来たなと言われた時が一番嬉しいですね。
本当に職人になってよかったと思います。...ですが、そのような機会はどんどん減ってきています。
かつての小売店の主人は、ものの良し悪しについて、きちんとした見る目を持っていて、納めた製品の出来が良いと、割増料金を良く払ってくれたものです。
ところが、今の小売店の方は、全く製品の出来について見てくれません。
見てくれないというより、ものの良し悪しが分からないのです。
出来不出来ではなく、お金だけが製品の基準になってしまいました。
昔は小売店の方で、この職人は将来性があるから育てようという気持ちがあったものですが、今はありません。
小売店の方々がどんどんサラリーマン化しているのです。
せっかく良く出来た製品を納めに行っても、値段が高いと言われると本当に悲しく思います。

今後の目標について教えてください

これからは、直接、個人を対象とした製品を作っていきたいと思っています。
法人相手では、どうしてもコスト面等を問題とされるので、中々良いものを納めることは出来なくなっているからです。
個人にアピールするもの、金額が張っても個人がいいなぁと思うようなものを考えて、作っていきたいと思っています。

また、日本の伝統文化と技術を、是非、後世に残したいと考えています。
江戸時代の看板は、粋と洒落の結晶です。
かつての職人とお店との間では、洒落が通じていて、洒落が分からないと相手にされなかったものです。
例えば、この弓矢の形をした看板は、お風呂屋の看板です。
「弓射る」と「湯入る」をかけているのです。
また、桶屋の看板には「風」と言う文字が書かれているものがあります。
これは、「風が吹けば桶屋がもうかる」からきているものです。
本当の伝統文化とは、階級の高い人が作ったものではなく、このような洒落を楽しんだ町人達が作り上げたものなのです。
そして、私が持つこの技術も、何十代前から続く、職人の知恵の集積なのです。それが途絶えてしまうのは本当に惜しいと思います。
今後は、新しいものに挑戦して、どんどんエンドユーザーにアピールし、皆様に日本の伝統文化・技術について知っていただきたいと考えています。

問い合わせ先

このページは生活振興部 産業振興課が担当しています。

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