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つりしのぶ 深野晃正 インタビュー

更新日:2015年12月25日

お仕事の内容について教えてください

つりしのぶを専門に作っています。
つりしのぶとは、竹などの芯材に山苔を巻きつけ、しのぶ草を束ねて形を作ったもので、夏の暑さをねぎらうために家の軒先に吊るして楽しむものです。
種類では、大小合わせて15前後のつりしのぶを作っています。
一般的な形のものでは、井桁・かすみ・いかだ・小舟・井戸・帆掛け舟・灯篭・屋形船・亀・桶等ですが、形の変ったものも幾つか作っています。
例えば、来年の干支に合わせたテナガザルの形とか。以前は、オリンピックが開催された時に五輪を模してみたり、社会的に大きな出来事があるとそれをイメージした物を作ったこともあります。
現在では、この仕事をしているのは都内で一軒になりました。ですが、1人というのは自慢にはなりません。近くに同じ作り手がいれば、協力したり互いに切磋琢磨したり、情報交換もできるのですが、それができないのですから...

つりしのぶ作りに際して心がけていることを教えてください。

良く芽が吹いて葉になって、量感がより味わえるようなものを作っていきたいと、日頃から心がけています。
結束する銅線についても、しのぶを保護する意味でもエナメル線を使っています。
それにより緑錆も出なくなりますし、しのぶのためにもいいと思っています。
しのぶ草の数にしても、予算の制約はありますが、5〜6本という本数にもこだわりを持っています。また、縁日などでお客様が買われたときのことを考えて、持つ紐についても、結びのこぶを横につけています。その方が持ち易いです。細かく見てもらうと、他のつりしのぶと違いが分かっていただけると思います。
私は日ごろから、つりしのぶは3年でも5年でも長持ちすると言い続けています。
吟味した材料を使えば、結束したものが、ほぐれることはないし、見栄えも良いし...
そうしたことがお客様の目にとまってもらえればありがたいです。

一つ作り上げるのにどの程度時間がかかるのですか?

体験教室等では5〜10分程度で仕上げていますが、本当はその程度ではできません。
苔やしのぶ草等の材料を、使えるように下準備から始めなければならないからです。
また、つりしのぶ作りに関しては、製品を作って、それで売れるという訳ではありません。
栽培のための棚も作らなければなりませんし、縁日等で売るために、小屋の作り方まで覚えなければなりません。
作って・育てて・売るまでの行程に、更に材料の収集まで手間に加えると、途方も無い時間がかかります。

材料集めについて教えてください。

私の父親の代は、しのぶの材料もこときれることがなく、簡単に手に入りました。
ところが、産地の山にダム等が建設され、どんどん材料が少なくなってきました。
幸いにも現在も材料は手に入りますが、かつて「後10年できればいいかなぁ...」と父が呟いたのを覚えています。
現在は、高速道路等が整備され、産地まで数時間で行けるようになりましたが、昔は途中で宿泊しないと収集場所まで行けませんでした。
それに東京から私のようなよそ者がトラックできて、いきなり集めることはできません。
群馬や秩父の山奥に何年も通い続けて、地元の人と交渉し、セメント工場等で働いている人たちに、本業以外のアルバイトという形で収集を頼んだこともあります。
また、つりしのぶを作るには、しのぶ草の他に山苔が不可欠です。
しのぶ草はあるが、苔はないというのでは仕事になりません。
しのぶ草については、ある程度のルートは持っていましたが、苔についてはありませんでした。
いつ手に入るか分からなかったので、いつの頃からか、私自身も苔を集めに山に入り始めました。

山仕事は大変そうですね...

一口に山といっても見当もつきません。
苔も行けばあるというものではなく、短時間では中々集まりません。
どうしても夜にかかってしまう大変な作業です。
それに、ずいぶん怖い思いもしました。
蛇も出るし、夜は犬の遠吠え等で心細いし...
ある夜、山道に迷い、ようやくたどり着いた一軒家で国道までの道のりを聞こうと思ったのですが、出てきたのが老婆の方で、失礼な話、最初はお化けが出たかと思いました。
怖い思いも沢山しましたが、いい苔が生えているところに行くと帰りたくないなぁと思います。ついもう一晩山中に泊まって集めたくなります。
トラックに山積みになるくらい集めてこないと、また行かなくてはならない。行かないと仕事になりません。
しのぶは山にあるし苔はタダだし、上手い商売やっているなと言われたことがありますが、タダほど高いものはありません。金で買えるものはいいですよ。怖い思いをしなくて済みますから...
ただ、今では山道も舗装されていますので、苔の生えている場所の近くに車を横付けすることができます。
また、息子も一緒に行くようになりましたので助かっています。

お仕事をされていて良かったと思うことは?

仕事を覚えることに対して、得手不得手もありましたが、出来上がり迄責任を持つようになると面白いですね。仕事が手馴れてきて、面白みが出てきて...
山に入って苔を集める事に関しても、自由なんですよ。
辛いことよりも楽しい部分が多い。しのぶに魅力があったのでしょうか。
生まれ変わったとしても、もう一度同じ人生でもいいから、もう一度しのぶ作りをやってみたいと思います。
一つもやりたくないと思うところがない。
まだまだ深みがあるのではないかと、不思議にそう思います。

気分転換方法について教えてください

機械いじり、特に車の整備などが好きです。
10月からのオフシーズンは、夜は車を分解して、あくる日は部品を買って整備しています。
今のようにユーザー車検が一般的になる前からやっていました。
車を直す楽しみのために新しい車には乗らない位です。
完成した時の喜びは、しのぶと同じ。
出来ないと言われたものが出来た時には、自信になります。本当に楽しいです。

今後の目標について教えてください

つりしのぶだから吊らなければいけないということはありません。
しのぶそのものにも魅力がありますが、もう一つそこにアレンジしたものがあればお客さんも喜ばれると思います。
一つ一つ自分の形に合わせて、飾る場所も変えていけるようにして行きたいと考えています。
また、関心のない人にも目を向けてもらえるよう努力していきたいです。
最近、今までは全く関心が無かった若手のアイドルグループの歌に非常に感動したことがあります。
うるさい、派手といった先入観で物を見るのではなく、歌詞を作った人、歌う人が如何に感情を込めているか、それに気がつかないといけない。
色々な角度から物事を見ることが必要です。
些細な事柄もおざなりにしてはいけない。そこから湧き出すイメージが大事であると感じている今日この頃です。

作品紹介

深野晃正さんの作品はこちらでご覧いただけます。

深野晃正さんの作品紹介

深野晃正さんは美術大学(女子美術大学)と連携し、新しい伝統工芸製品を創るプロジェクトに参加しています。

問い合わせ先

このページは生活振興部 産業振興課が担当しています。

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