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平成27年5月28日 本格的な夏を前に「江戸扇子」出荷最盛期

更新日:2017年5月16日

涼風で感じる江戸の技

 江戸時代から伝わる伝統工芸品「江戸扇子」の技を今に受け継ぐ江戸扇子工房「まつ井(北篠崎2丁目)」では、本格的な夏を前に注文が急増し、連日制作に追われています。
 扇子の起源は古く平安時代にまでさかのぼり、京都が本場とされています。元禄年間に京都から江戸に伝わったのが始まりと言われる「江戸扇子」は、繊細な「京扇子」に比べ、折り幅が広く骨の数が少なくすっきりとした印象。30本の骨を使用し、扇面にも華麗な綿や絹が用いられる京扇子とは対照的に、竹でできた15本の骨と和紙のみで制作される江戸扇子は、京扇子の「雅」に対し「粋」な江戸扇子とも言われます。パチッと音を立ててきれいに閉じるのが特徴で、寄席などで高座扇子としても使用されています。
 同工房で江戸扇子を制作しているのは、江戸扇子職人の松井宏(まついひろし/江戸川区指定無形文化財/平成26年度東京都優秀技能者知事賞受賞)さん。江戸扇子職人も最盛期の昭和50年代頃は、都内に20名以上いましたが、現在は数名となり区内では松井さんただ一人。先代である父親の下で修業後、昭和26年に独立し、現在の自宅に工房を開きました。11歳の頃から父親の手伝いをしていた松井さんは、学校を卒業して一度会社に勤めたものの、ものづくりが好きなことやサラリーマン生活に馴染めなかったことなどから2年で退職。その後、扇子づくりの本格的な修行に入り現在もなおその伝統を守り続けています。現在は「まつ井」では息子さんが会社勤めの傍ら、その技を継承すべく修業をしています。
 京扇子は工程が分業化されているのに対し、江戸扇子は平地(扇に張る紙)作りから仕上げまで、約40もの工程を一人でこなします。別の職人が絵を描いた表紙に芯紙をはさみ、3枚を貼り合わせる平地を作る「扇面加工」から始まり、型紙で平地をはさんで折り合わせる「折り」、真ん中の芯紙を裂くように骨を通す穴を開ける「中差し」、中差しで開けた穴に骨を通す「中付」などを行います。和紙を糊で貼り合わせて作る江戸扇子は、湿度など気候に大きく影響されるため、糊の濃さの調節や乾き具合の確認等は長年の勘に頼っています。1本を仕上げるのに、最低でも4日はかかる作業で、4日で50〜60本、頑張っても100本が限度。湿度の高い梅雨時は、竹・紙といった自然の素材を使っているので、乾燥に時間がかかり、繁忙期でありながらさらに日数を要します。年間で5,000〜6,000本受ける注文は、その8割が5月〜7月に集中。今年も4月頃から注文が増え始め、連日遅くまで作業に追われています。
 売れ筋は、発売から10年以上のロングセラー商品となった「グラデーション扇子(税込3,780円から)」。色の濃淡が美しく、扇ぐ時に着物の袖に当たらないように片端が短くデザインされています。松井さんは「一つひとつ心を込めて作っています。作品と一緒にその思いをお届けし、作品を受取った方と心の交流が図れれば幸いです。」と話しています。
 松井さんの江戸扇子は、江戸川区名産品ショップサイト「えどコレ!」でも購入することができます

えどコレ!

http://www.rakuten.ne.jp/gold/meipro/

問い合わせ先

このページは経営企画部 広報課が担当しています。

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